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切手で読む地図の楽しみ

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 地図といっても様々な地図があります。描き方も,描く範囲も様々であり,その目的もまた様々です。単に地名や場所をさがすためのモノではなく,地図には様々な役割があります。その地図を小さな1枚の切手の中に描いた「地図切手」を通して,地図を見る楽しみ,地図を読む楽しみを日々探っていこうと思います。
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アルゼンチンの南極領有主張切手

2019/01/24 10:39
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アルゼンチンの領有主張地図切手、まだまだあるということで、上の切手は1979年に陸軍地理局100年を記念して発行されたものです。地図にはアルゼンチンの領土を黄色で示し、さらに赤い線で囲っています。

南極大陸の一部も黄色になっているのが注目点ですが、南極大陸は1959年に調印された南極条約によって領土権は凍結されています。しかし、南極大陸に近い南半球の国や初期の南極大陸探検で実績のある国が、南極大陸を分割する形で領有権を主張しています。

アルゼンチンや隣国チリもその一つで、それぞれ自国の領有主張地域を地図で示す切手をしばしば発行しています。上の切手図案の地図は、正射図法の斜軸投影で描かれた地図で、地球を遠くから眺めた感じで描かれる特色の図法です。

よく見ると、経緯線が15度間隔で示されているのがわかります。ただ、南米大陸周辺は、アルゼンチンの中心部を通る西経65度を中心に正しい位置に描かれていますが、アフリカ大陸の描き方はかなりおかしい状態で、アフリカ大陸西端と南端は2本の経線すなわち15度の経度幅で描かれていますが、実際はその倍以上の35度の経度幅があります。無理やり図案の中にアフリカを詰め込んだ感じになっています。
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アルゼンチン領有主張島の位置関係

2019/01/20 13:55
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前回まで3回連続で紹介したアルゼンチンの領有主張の切手ですが、それぞれの島や諸島だけを描いた地図切手でした。そのため、これらの島々やアルゼンチン本土との位置関係がわからなかったのですが、今日取りあげたのは、これら位置関係がわかる地図を描いた切手です。

フォークランド紛争は、1982年4月2日にアルゼンチンが占領しますが、イギリスが、6月16日のアルゼンチン降伏によって奪還します。この切手は紛争の1年後の1983年に発行された切手ですが、アルゼンチン側の正統性を、切手に地図を描いて訴えています。

地図に経緯線が示されていないのが残念ですが、アルゼンチンが領有を主張するマルビナス諸島(フォークランド諸島)、サウスジョージア島、サウスサンドウィッチ諸島の位置関係が非常にわかりやすい地図になっています。
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サウスサンドウィッチ諸島の島の名称

2019/01/13 16:44
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前々回、前回に続いて、今日もセットで発行されたアルゼンチンの領有主張の地図切手です。フォークランド諸島サウスジョージア島と同様にイギリスが実効支配しているサウスサンドウィッチ諸島で、サウスジョージア島の南東に続く島々です。

イギリス領としては、サウスジョージア島とともにフォークランド諸島の属領という扱いになっている諸島ですが、この諸島を地図で探すと、市販の地図帳レベルや世界地図では、サウスサンドウィッチ諸島の名前はあっても、諸島を構成するそれぞれの島の名前は記載されていません。

これに対して、上の切手図案の地図には同諸島の島々の名前がスペイン語で示されており、各島の名前を知ることができます。

改めて、切手図案は知識の宝庫の源になり得るものだと実感した次第です。切手図案の中には低レベルのものも数多くあるわけですが、この様に質もデザインも素晴らしい切手図案を見ると嬉しくなってしまいます。過去には多くあったわけですが、現在でもなお、専門書や各種事典的な書物で、図版を利用した説明に切手図案が使われている場合があるのも納得のいくところで、切手収集家としてはこれもまた嬉しいことです。
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サウスジョージア島

2019/01/07 23:21
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今日の切手は、先日取りあげたアルゼンチンの地図切手とセットで発行された切手です。同じように白く描かれた美しい地図切手ですが、こちらは先日のマルビナス諸島(英領フォークランド諸島)の東方に浮かぶサウスジョージア島です。

同じくイギリスが実効支配していますが、フォークランド紛争時にアルゼンチンが併合し、その後イギリスが奪い返すという経過も同じです。この切手をセットで発行するということは、アルゼンチンは当然このサウスジョージア島の領有も主張しているわけです。

切手図案の地図には、やはり経緯線が示されていますが、南緯54度〜55度にかけて位置していることがわかります。ということで、マルビナス諸島とのちがいは、気候区的に寒帯のツンドラ気候になっていることで、半年間はほぼ雪に覆われています。

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真っ白な地図切手

2019/01/05 10:53
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年が明けての正月休みに、たまりにたまった未整理の地図切手を眺めていると、目に留まったのが上の切手です。2012年にアルゼンチンから発行されたマルビナス諸島(英領フォークランド諸島)を描く美しい純地図切手で、白一色に描かれた島は、冬真っ只中の今の日本のイメージに合っているかもしれません。

この諸島は1833年以降イギリスの実効支配にある中、1982年のフォークランド紛争でアルゼンチンが一時占領しますが、イギリスがすぐに奪還して、その後も現在までイギリスの実効支配が続いています。

切手図案の地図には、経緯線が示されており(シルバー色で画像では見にくいですが)、南緯52度の緯線が諸島の南部を通っています。南方の島というイメージで、図案の白い地図は南極大陸と同じように、年中氷や雪に覆われた島を想像してしまいそうです。しかし、実際には南緯52度ということで、冷涼な気候には違いありませんが、アルゼンチン本土と同様、気候区分としては温帯に属しており雪もほとんど降ることはなく、雪に覆われることもないのです。

アルゼンチンは、フォークランド紛争以前からこのマルビナス諸島の領有を主張する地図切手を発行していますが、紛争後もこのようにその発行を続けて世界へアピールしています。

じっくり眺めると、海岸線の精密さなど切手デザインとしても高度な、ほれぼれするような美しい地図切手で、アルゼンチンの執念を感じる地図切手でもあります。
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ワールドカップサッカー 日本 対 ポーランド

2018/06/28 16:35
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本日6月28日にワールドカップサッカー、日本のグループリーグ最終戦となる対ポーランド戦が行われます。ということで、今日取り上げたのはポーランドの地図切手です。

上の切手は1966年に発行された観光地シリーズの1種で、ポーランドの地図に観光地を示す建造物などのイラストが描かれた、見ていて楽しくなる地図切手です。ポーランドは、北はバルト海に面し、平原の広がる国ですが、南のチェコやスロバキアとの国境沿いには山岳地帯があります。

切手図案の地図に描かれたイラストをよく見ると、大聖堂や古城の他に、海岸沿いにはビーチパラソルが、南の山岳地帯にはロープウェイも描かれています。

平原の国を意味するポーランド、実際、ロシアから続く東ヨーロッパ平原が広がり、ヨーロッパでも面積の広い国の1つですが、それでも日本より面積では小さい国です。ただ、ご存知の通り、日本は国土の7割弱が山地という山岳国で、狭い平野に人口が密集している国です。

今日の試合は平原の国と山岳国の対戦ということになりますが、さて、試合の結果はどうなるでしょう。
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ワールドカップサッカー 日本 対 セネガル

2018/06/24 10:21
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本日の深夜(6月25日午前0時)に、ワールドカップサッカーの日本の第2戦となる、対セネガル戦が行われます。ということで、今日取り上げたのはセネガルの地図切手です。

上の切手は,そのセネガルの位置を示す地図が描かれていますが、同国から1971年にユニセフ(国連児童基金)25周年を記念して発行されたものです。赤地のアフリカ大陸の中で黒く示された部分がセネガルで、同国の位置がアフリカ大陸西端にあるのがよくわかります。この西端の岬にある都市が首都のダカールです。

このセネガルの西方沖合いの大西洋上にはカーボ・ベルデという島国があり、アフリカ西端の国という場合はこの島国が該当します。すなわち、今回の試合はアジア最東端の国日本とアフリカ大陸最西端の国セネガルの東西対決ということになりますが、ウンチクはさておき、試合の結果は果たしてどうなるでしょう。

ちなみに、図案の地図をよく見ると、黒く示されたセネガルの中に、下地の赤色が細く見える部分がありますが、これは印刷のかすれではありません(もしそうであれば、エラー切手の珍品となるのですが)。ここにはセネガルに完全に包囲される形でガンビアという別の国が存在します。
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ワールドカップサッカー 日本 対 コロンビア

2018/06/19 16:55
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本日6月19日にワールドカップサッカーの日本の初戦、対コロンビア戦が行われます。ということで、今日取り上げたのはコロンビアの地図切手です。

コロンビアはスペインの植民地時代が長く続きますが、1810年に当時のヌエバ=グラナダ副王領からの独立を宣言、1819年にはスペイン軍を破って、現在のベネズエラ、エクアドル、パナマを含む大コロンビア共和国が成立します。その後これら3ヶ国が分離独立し、1903年現在の国土になります。

上の切手は、1959年にコロンビア切手発行100年を記念して発行されたセットのうちの、航空切手の1種です。印面には当時の切手とコロンビアの国土と水系を描いた地図がデザインされています。

ちなみに国名のコロンビアは、アメリカを発見した探検家コロンブスに因んでいます。コロンブスに因む地名はアメリカ合衆国やパナマに多く残っていますが、このコロンビアは1819年の独立時に、入植者の救世主として神話的な人物であったコロンブスを国名に採用したのです。

コロンブスの威光が輝く国名?のコロンビアに対する日本、さて、今日の試合の結果はどうなるでしょう。
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ジョージア出身栃ノ心が大関昇進

2018/05/30 12:08
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大相撲夏場所で好成績をおさめた栃ノ心が、めでたく大関への昇進を果たしました。外国人力士として、モンゴル出身力士が席巻する大相撲ですが、この栃ノ心はジョージア出身です(以前、黒海という力士もいましたが)。

ということで、今日取りあげたのはジョージアの位置を示す地図切手で、1992年に国連加盟を記念して発行されたものですが、以前に紹介した切手と同図案の刷色、額面ちがいの切手になります。

このジョージア、以前日本ではグルジアと呼ばれていました。このグルジアはロシア語名からの音韻転記による呼称でしたが、ロシアとの関係が悪化する中、グルジア政府は各国に対して、国名を英語名での呼称に変更するように要請を始めました。日本でもその要請を受け入れ、2015年にジョージアへの呼称、表記変更を決定しました。

黒海とカスピ海にはさまれたカフカス地方に位置するジョージアですが、切手図案の地図には北緯42度と東経42度の経緯線が示されており、同一数字の経緯線が通るという珍しい国でもあります。そして、首都トビリシの位置も示されていますが、栃ノ心の出身地ムツヘタは、このトビリシから北西へ20kmの所にある古都の美しい町で、世界文化遺産にも指定されています。おそらく栃ノ心にとっても自慢の町でしょう。
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アメリカ大使館がエルサレムへ移転

2018/05/19 21:41
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先日、イスラエルのアメリカ大使館がテルアビブからエルサレムに移転したことが大きな話題になっています。このエルサレム、現状はユダヤ人の居住する西エルサレムと、旧市街を含みアラブ人(パレスチナ人)の居住する東エルサレムに分かれますが、第三次中東戦争以後はイスラエルが実効支配しています。イスラエルはこのエルサレムを首都としていますが、パレスチナ人はもちろん、国連もこれを認めていません。

ということで、今回取り上げたのは、このエルサレムの位置を描いた地図切手です。上の切手は、イスラエル建国直前の1948年に発行された暫定切手の一種で、イスラエル独立宣言の基になった、1947年の国連パレスチナ分割案を示す地図が描かれており、まさに歴史資料地図そのものです。

色のやや濃い部分がユダヤ人地区、やや薄い部分がアラブ人地区という分割案ですが、ユダヤ人地区の方が面積的に広く、条件の良い地中海沿岸部を多く含んでいるため、アラブ人側は当然この案を受け入れず、中東戦争へとつながっていきます。

この地図の黒く塗りつぶされている所がエルサレムで、国連分割案では三宗教の聖地でもあるエルサレムは永久に国連の監視下に置くことが決定され、現在もその立場が続いています。そのため世界各国のほとんどはテルアビブに大使館を置いているのが現状です。

ちなみに、現在のパレスチナ人自治区は、この国連分割案のアラブ人地区よりも面積的にさらに縮小されています。

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キラウエア火山噴火

2018/05/09 17:39
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先日、ハワイのキラウエア火山が噴火し、大きな地震も発生しました。噴火の長期化が心配されていますが、できるだけ早い鎮静化が望まれるところです。ということで、上に取りあげたのはハワイ諸島が描かれている切手で、1959年にアメリカから発行された航空切手です。

印面にハワイ諸島の主な8つの島が描かれています。一番南東(右下)にある最も大きな島が、今回噴火したキラウエア火山やマウナロア火山など活火山のあるハワイ島です。このハワイ島の真下、地球内部にはホットスポットと呼ばれる固定的なマグマだまりがあり、そのマグマが噴き出してきたわけです。

ハワイ諸島は、地球表面を覆うプレートの1つで広大な太平洋プレートの上に乗っており、全体としてこのプレートは西へ向かって動いています。そして日本列島方面へ近づくと、他のプレートとぶつかって沈み込んでいきます。

したがって、このハワイ島の活火山もホットスポットからずれると、やがて活動をやめて火山だけが残ります。現在、ハワイ島以外の7つの島には活火山はありません。そしてハワイ島の東には、将来新しい火山島が出現することになるのです。

切手印面をよく見ると、ハワイ島やホノルルのあるオアフ島などの各島がレリーフ表現で立体的に描かれているのがわかります。一種のレリーフマップと言うことができます。
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南北首脳会談

2018/04/30 09:39
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先日、韓国と北朝鮮による南北首脳会談が実施され、今後の朝鮮半島情勢が注目されるところですが、トランプ米大統領もこの会談を歴史的だと述べ、さらには米朝首脳会談も予定されています。

ということで、今日取りあげたのが上の切手ですが、チュチェ思想セミナーを記念して1977年に北朝鮮から発行されたものです。鮮やかな赤色の朝鮮半島地図が描かれており、星印がピョンヤンの位置を示しています。

チュチェ(主体)思想とはマルクス・レーニン主義を朝鮮の現実に適用したもので、1966年以降に金日成により唱えられ、先軍思想とともに、北朝鮮における朝鮮労働党の指導の基礎になっているものです。このチュチェ思想は北朝鮮の切手にはしばしば取りあげられています。

切手図案をよく見ると、地図の周囲には多数のプラカードが描かれており、KOREA IS ONE!、AMERICANS GET OUT OF KOREA の文字が見えます。
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スワジランドがエスワティニに国名変更

2018/04/22 17:50
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アフリカ南部の内陸にある小国のスワジランド、1968年にイギリス領から独立した国ですが、先日19日に国王のムスワティ3世が、独立50年と自身の誕生日を祝う式典で、国名を「エスワティニ」に変更することを発表しました。今までの英語読みに変わって、スワジ語で「スワジの地」を意味する国名になったわけです。

スワジランドは世界でも例の少ない絶対君主制の王国ですが、自身の誕生日を祝う式典で発表するところは、さすが絶対君主です。今後同国から発行される切手の国名表記がどうなるか注目です。

上の切手は、以前にも取りあげたことのある切手ですが、英領時代の1964年に発行された鉄道路線を描くなかなか渋い切手です。額面刷色違いの切手のうち、今日は15cの切手です。
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フランス委任統治領時代のシリア地図切手

2018/04/15 19:52
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内戦の続く中東シリアで4月14日の未明、アメリカと英仏3ヶ国軍がシリアの化学兵器使用疑惑を理由に、シリアのダマスカス近郊、ホムスにある化学兵器関連施設を攻撃しました。

ということで、今日はシリアの地図切手を紹介しますが、上の切手は、シリアが1946年に完全独立する前のフランスの委任統治領であった1943年に発行された同図案、刷色ちがいの地図切手5種のうち、額面20ピアストレの切手です。

切手印面の地図をよく見ると、点(ドット)でシリアの主要都市が示されているのが分かります。このうち、地中海から少し内陸に入った、レバノンとの国境線が直角に曲がる付近に位置するのが今回空爆のあったホムスです。さらに国境線を南下していった次のドットがもう1ヶ所の首都ダマスカスになります。

国内における主要都市の位置関係が分かりやすい、なかなか渋い地図切手です。
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アスタナ万博開催中

2017/06/24 18:08
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 日本ではあまり話題になっていないのですが,現在,6月10日から9月10日までの会期で,「未来のエネルギー」をテーマにアスタナ万国博覧会が開催中で,日本も日本館を出典して参加しています。アスタナとはどこの国にあるのかということになりますが,その答は中央アジア,旧ソ連を構成していた国の一つで,面積では世界で9番目に大きい大国カザフスタンの首都です。

 そこで,今日取り上げたのが,2015年にカザフスタン民族会議20周年を記念して同国から発行された小型シートです。カザフスタンの主要民族はトルコ系のカザフ族で人口のほぼ3分の2を占めていますが,他にも多くの民族が居住する多民族国家になっています。小型シートには同国の地図とともに,民族衣装を着た各民族が描かれ,民族の調和と連帯をアピールするデザインになっています。カザフ族以外には同じトルコ系のウズベク人,ウイグル人,スラブ系のロシア人,ウクライナ人などで構成されています。


 ところで,先に書いたように,現在開催中の万博は「未来のエネルギー」がテーマですが,このカザフスタンは資源大国として知られ,カスピ海周辺で産出される石油は,パイプラインでヨーロッパ,中国に輸出されます。そして,ウランの産出は世界1位(40%:2015年)で原子力発電所の建設も計画されています(ソ連時代に建設された原発は,現在閉鎖されています)。

 ちなみに,ソ連時代には,このカザフスタンの北東部に位置するセミパラチンスクで,1949年から1989年の40年間に456回にもおよぶ核実験が実施されましたが,ソ連時代末期のゴルバチョフ政権のグラスノスチ(情報公開)まで,その情報は公表されませんでした。


 
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米州ボリバル同盟ってどんな国家機構

2017/06/21 18:28
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 しばらくEU関連の話が続きましたが,このEU,国家機構としては最も知られた存在です。逆に知名度の非常に低い国家機構の一つを今日は取り上げます。上の切手は2015年に米州ボリバル同盟結成10周年を記念してボリビアから発行されたもので,ラテンアメリカの地図と加盟国の国旗が描かれています。

 加盟国は9ヶ国で,そのうち4ヶ国はカリブ海の東に位置する小アンティル諸島の小国です。残りの5ヶ国が,カリブ海地域最大の島国キューバ,中米のニカラグア,南米のベネズエラ,エクアドル,ボリビアとなります。さて,このほとんど馴染みのない米州ボリバル同盟,どのような機構かということになりますが,加盟国の顔ぶれから想像できるように,反米的な立場をとる国家が加盟するラテンアメリカ地域の政治,経済協力機構というのがその答で,ベネズエラの故チャベス大統領が主導して2004年に結成されました。

 その成果として,ドルによる貿易決済を段階的に廃止する目的で,加盟国のうち上記の5ヶ国間の貿易に関して,スクレというバーチャル通貨の使用が可能になったことがあげられます。

 しかし,加盟各国の貿易の実態としては,一昨年にようやくアメリカとの歴史的な国交回復を成し遂げたキューバを除いて,貿易相手国の第1位はアメリカになっています。リーダー的存在のベネズエラの場合は輸出入とも4分の1がアメリカで,輸出のほとんどは原油です。次いで第2位が輸出入とも中国となっており,輸出入の相手上位5位までにこの同盟の加盟国は入っていません。

 現政権も反米路線を継承するベネズエラ,シェール革命で原油生産が増加したアメリカが輸入を減らせば,相手国の主力を中国へシフトする可能性もありますが,その中国も経済成長が鈍化しており,先行きは不透明です。 

 この地図切手が示す国家機構,「切手は情報の宝庫である」ということを,あらためて認識させられた1枚でした。
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イギリス王室の島オルダニー島

2017/06/17 19:36
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 前回に続きイギリス関係ですが,今日取り上げたのはイギリス海峡に浮かぶオルダニー島,地理的にはフランスに近いのですがイギリス領の島です。

 では連合王国のイギリスを構成する4つの国のどこに属するのかということになりますが,実はどこにも属しません。オルダニー島はガンジー島などとともに,内政の自治権をもつガンジー管区に属し,イギリス王室の属領という政治的地位にあります。さらにオルダニー島自体もガンジー管区内で内政の自治権をもつという非常に複雑な関係にあります。

 上に示したのは,最近そのオルダニー郵政から発行された同島の地図を描いた小型シートで,島の輪郭に沿ってシート地が切り抜かれているという,超変形小型シートです。島の中央部が目打ちで抜かれた切手部分になっています。

 少しわかりにくいですが,島の北東部には鉄道路線が描かれているのですが,これは夏季の休日を中心に運行される観光用の鉄道として残っているもので,小島観光にはもってこいの魅力的な島です。
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ロンドン橋駅も載る1913年のロンドン地下鉄路線図

2017/06/11 17:17
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 昨日のコソボはEUに加盟できていないのですが,逆にEUからの離脱を決めたのがイギリスです。そのEUからの離脱交渉にはずみをつける意味で,4月の時点で野党労働党との支持率の差が20%あったことを背景に,前倒しの総選挙実施を行ったメイ首相でしたが,その結果は与党保守党の過半数割れという大誤算になりました。

 これは選挙期間中に,ロンドン橋でテロ事件が発生したことも大きく影響しており,治安対策は緊縮財政政策により警察官を2万人も削減した保守党では大きな課題が残り,労働党の方がうまくやってくれるのではという有権者の見方が反映した結果となりました。

 上の切手は,今回のテロ事件が起きたロンドンブリッジの駅も載っている1913年のロンドン地下鉄路線図を描いたもので,2009年にクラシックデザインをテーマに発行された連刷切手の1種です。ロンドンの地下鉄は1863年に開業しますが,ロンドンブリッジ駅は1900年に開設されました。

 図案の路線図を見ると,青色のテムズ川と交差する路線がいくつかありますが,そのうち,一番東側(右側)の路線がノーザン線で,川のすぐ南東部に位置するのがロンドンブリッジ駅です。1999年にシュビリー線の駅も開設されており,2路線の駅になっています。

 この1913年の路線図を描いたのは,臨時雇いの土木製図士であったハリーベックという人物で,まさにクラシックデザインの象徴とも言えますが,地下鉄路線を直線を基本にして模式化し,路線ごとに色分けするなど,現在の日本においてもよく見かける東京などの地下鉄路線図の基本にもなっています。
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コソボの国旗は地図のデザイン

2017/06/10 18:54
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 今日も前回同様コソボですが,上の切手は2009年に同国から独立1周年を記念して発行されたものです。国旗に描かれた地図ということで,コソボの国旗の中に金色で同国の地図がデザインされ,国土の形態がよくわかります。

 青地はEU色ですが,現在の所,国連と同様EUにも加盟していません。地図の上の6つの星は,同国に居住する各民族の調和を目指すことを表していますが,前回も書いたように,同国の主要民族はアルバニア人で90%を超えており,他にセルビア人,ボスニア人,トルコ人,ゴーラ人,ロマ人(ジプシー)が少数派として居住しています。

 国旗に国の紋章を描いている国はいくつかありますが,コソボのように国土の地図を描くのは非常にめずらしい例です。国旗については,そのデザインや由来などを紹介するビジュアル本が多くありますが,近刊の国旗で知る国際情勢 [ ティム・マーシャル ](原書房)は,ちょっと変わった切り口で,星条旗やユニオンジャックなどを含め国旗にまつわるエピソードをまじえて,本格的に国際情勢を歴史,政治,地理,民族などの視点から論じるなかなかの好著です。
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国連に加盟できないコソボ

2017/06/08 21:57
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 前回の記事に出てきたコソボ,欧州評議会だけでなく国連にも加盟できません。どこにあるのでしょうかということで,今日の切手は2010年に同国から発行された,ヨーロッパの中でのコソボの位置を示す地図が描かれた小型シートです。ちょっとわかりにくいですが,小さく黄色で塗られている部分がコソボです。すなわちヨーロッパ東部,ギリシャの北方ということになります。

 現在のコソボのある地域は,第二次大戦後に成立した南スラブ系の連邦国家ユーゴスラビアの一部でした。このユーゴスラビアはスラブ系民族の6つの国からなる連邦国家でしたが,1991年以降に分離し,それぞれ独立しています。このコソボはそのうちのセルビアという国の一部でしたが,2008年12月に独立を宣言します。歴史的にはオスマントルコの影響で,現在の隣国アルバニアからイスラム教徒のアルバニア人が多く入植した地域で,セルビア内でも自治州となっていました。

 このコソボの独立をEU,アメリカ,日本など100ヶ国以上が承認していますが,該当国のセルビアや国内に少数民族の独立問題を抱えるロシア,中国,スペインなどが承認せず,実態として独立状態ですが,あくまでもセルビアの一部とみなしています。そのため,国連加盟申請をしても,安保理事会では拒否権を持つ常任理事国のロシア,中国が賛成しないため国連への加盟がなかなか認められない状況が続いています。

 このコソボ,隣国アルバニアとともに,現在のヨーロッパではめずらしくイスラム教徒の多い国になっています。
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EUの欧州議会とはちがう欧州評議会

2017/06/04 12:04
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 上の切手は2016年にロシアから,欧州評議会加盟20周年を記念した発行されたものです。地図を見るとロシアを含めてヨーロッパのほぼ全ての国(国境線が示されています)が濃い青色で描かれています。すなわち,これらの国が欧州評議会の加盟国ということで28ヶ国が加盟しているEUの欧州議会とはちがいます。 

 この欧州評議会はヨーロッパの経済的,社会的進歩を促進し共通の理想と原則を擁護することをうたっており,欧州人権委員会,欧州人権裁判所も設置されています。ただ軍事的側面は除かれており,これがほぼヨーロッパの全ての国が加盟している要因になっています。

 加盟国は47ヶ国で,地理的にはアジアに入るトルコやキプロス,アジアに入れる場合が多いカフカス諸国のジョージア,アルメニア,アゼルバイジャンも加盟しています。逆にヨーロッパの中で加盟していないのはヴァチカン(オブザーバー)とあと2つあり,その1つは地図をよく見ると濃い青色ではなく,色が薄く塗られている国(赤い星印のロシアの首都モスクワの西側の国)が答ということで,それはベラルーシです。

 人権問題,民主主義などの分野を重点におく欧州評議会において,ベラルーシは1996年の憲法改定国民投票が非民主的であると判断され,ルカシェンコ政権下においても民主的,表現の自由が制限されているとされ,現在は資格停止中で非加盟国扱いになっています。

 さらにもう1つはセルビアから2008年に分離独立したコソボ(EUや日本は承認)ですが,セルビア自体や同調するロシアはこの独立を認めていないため,このコソボは加盟できていません。上の地図もロシアの立場から,コソボはセルビアの一部ということで濃い青色で塗られています。
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空中写真から作られる地図

2017/05/20 22:47
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 上の切手は2016年にコロンビアから発行された興味深い地図切手です。印面には大きく同国の地図が描かれているのですが,中央に飛行機が描かれ,それより下,すなわち同国の南部は1913年の地図,上側の北部は2009年のランドサットの衛星画像を加工した画像地図が描かれています。

 昔は測量隊員が現地調査をくり返して膨大な時間をかけて作成された地形図ですが,その後このような飛行機により撮影された空中写真をもとに作成する空中写真測量が地図作りの中心になっています。

 図案はその空中写真撮影のイメージ図ということですが,今後さらに衛星画像,GPS測量の技術が地形図作成に取り入れられていくことになると思います。

地図はどのようにして作られるのか まるごとわかる地図の教科書 [ 山岡光治 ]

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イタリア トスカーナワイン

2017/05/06 23:46
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最近手に入れた地図切手がほとんど未整理のまま放置されているので、GW中に少しは整理しようと思いましたが、なかなか進まないのが現状です。そんな中で今日取りあげた1枚が上の切手で、昨年イタリアからトスカーナ大公国のワイン法300年を記念して発行されたものです。

フランスと生産世界一を争うワインの本場イタリアですが、1716年に、当時のトスカーナ大公であったメディチ家のコジモ3世によって生産地の線引きが行われ、ワインの原産地呼称制度の始まりと言われています。

切手図案にはトスカーナ州の地図の中に当時線引きの対象となった四つの産地の地名と場所が示され、コジモ3世と共に描かれています。

ワイン通の人には、なかなかの地図切手ということになります。

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バビロニアの世界図

2017/05/05 14:20
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 昨日の切手と同じくアルメニア発行での同時発行の古地図切手です。

 上の切手図案は,地図の歴史を語る時には必ず登場する,粘土板に描かれた古代バビロニアの世界図で,現存最古の世界図(最古の地図ではなく)と言われており,製作年代は紀元前6世紀とされています。

 印面右側にこの地図の再現図が描かれていますが,世界の陸地は円盤状で,その周囲を海が環状に取り囲み,その彼方には7つの別世界の想像上の陸地が存在する。円盤状の陸地にはペルシャ湾や山地,湿地も描かれ,中心が首都のバビロンでそこをユーフラテス川が流れている。これが当時のバビロニア人の世界観であり,この地図は世界地図ということになります。

 この地図もなかなか切手図案には登場しなかったので,貴重な1枚になりそうです。

 
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プトレマイオス

2017/05/04 17:53
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昨年末にアルメニアの切手を取りあげましたが、今日も同じく2016年にアルメニアから発行された切手です。

上の切手には、古代最高の地理学者プトレマイオスが描いた2世紀の地図のアルメニア付近が描かれています。古代ローマ帝国の版図の拡大は、ローマ時代における地理的知識の拡大をもたらし地理学の発展につながりました。2世紀に著された「地理学」8巻をもとに詳細な地名の記述と、投影図法としての円錐図法の原理を用いている点において、地図学史上の傑作とも言われています。

プトレマイオスの地図を描いた切手はなかなか登場しないのですが、今回はプトレマイオスの肖像と共に印面に描かれており、地図切手ファンとしては貴重な1枚になりそうです。
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今年の1枚

2016/12/31 22:01
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 今年もほとんど更新がないまま大晦日になってしまいましたが,一昨年,昨年と「今年の1枚」という記事だけは更新しましたので,今年も続いてということで取り上げたのが,東ヨーロッパの小国(旧ソ連の一部)モルドバから今年2月に発行された小型シートで,シュトルーヴェの測地事業開始200年を記念して発行されたものです。

 ドイツ生まれのロシア人天文学者であるシュトルーヴェは1816年から1855年にかけて,地球の大きさの正確な測定のため,子午線弧の長さを三角測量で測量しました。この三角測量のために設置された三角点群は通称「シュトルーヴェの測地弧」と呼ばれ,三角点の一部が2005年にユネスコの世界遺産に登録されています。非常にめずらしい形の世界遺産ですが,この測地弧,現在の国でみると北はノルウェーから南はウクライナまで10ヶ国にまたがっています。

 これらの一部の国から,世界遺産登録後それぞれ記念切手や小型シートが発行されており,地図や三角網,測量器機,そしてシュトルーヴェの肖像等を描くという,よく似た図案が採用されていますが,今回取り上げたモルドバの小型シートは,この測地弧三角網の全体像が国境を示した地図とともにわかりやすく描かれており,モルドバ国内の三角網部分が同国の地図上にはっきり示されている拡大図部分が切手印面になっているというデザイン的にもすぐれたものです。また,右側タブの部分には,測地弧が通過する10ヶ国の国名が北から順に列挙されている点もなかなか良い感じです。

 日本ではなじみの少ないモルドバという国の形態やヨーロッパの中での位置がよくわかる小型シートでもあり,そのサイズが68×82oとリーフに貼り付ける場合も収まりの良いコンパクトサイズで気に入っています。

 本年は私にとって,フィラテリストの面から言うと前回の記事で紹介させていただいたように,FIP国際展のニューヨーク展で金賞を受賞できたという最高の年になりました。
 
 なお,この受賞作品「地図の歴史」をそのままの形で,年明けの1月20日(金)〜22日(日)に開催される「第8回テーマティク出品者の会切手展」(東京目白,切手の博物館3階スペース:入場無料)に出品いたします。当作品の中には,今回取り上げたモルドバのシュトルーヴェ測地弧に関して,以前に同国から発行されたステーショナリー(切手付封筒)も含まれています。よろしければ御来場いただき,他の多くのテーマティク作品とともに御覧いただければ幸いです。

 
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World Stamp Show New York 2016

2016/06/05 21:35
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先日まで開催されていた、FIP国際切手展のニューヨーク展に出品した当方のテーマティク作品「The History of Cartography -Mapping the World and Regions-」が金賞を受賞しました。

2013年ブラジル展の89点から1点アップの90点というスコアでしたが、この2年半、3フレーム増に伴う構成、展開の見直し、マテリアル増加分の補強と質の向上に取り組んできましたが、それがこの1点に凝縮されているかなという思いです。私にとって8フレーム作品は初めてでしたが、まだまだ改良点も残っているものと思います。

今回の出品ではコミッショナーの方々をはじめ、色々な面でアドバイスや作品を参考にさせていただいたテーマティク出品者の会の皆様に大変お世話になり感謝申し上げます。
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今年の1枚

2015/12/26 23:26
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今年も残り少なくなってきましたが、何と1年ぶりに更新です。前回では今年の一枚という記事でしたが、本年も同様タイトルの2015年版です。ただ、今年発行されたというわけでなく、今年私が入手した切手ということで、実際の発行は2014年です。

前置きはこれぐらいにして本題ですが、上の切手は旧ソ連のアルメニアから発行された、古代都市を題材にした切手の一種です。古代アルメニア王国の首都ティグラナケルト付近を描いた古地図が図案になっています。

古代アルメニア王国は紀元前190年から紀元前66年まで独立した王国として栄え、その後ローマ帝国、ペルシャ帝国の支配を受けますが、最盛期は現在のトルコ東部、レバノン、シリアを含む地域を支配した強大な国でした。

地図の中にメソポタミアの地名があるように、チグリス川上流の地域にあたるわけですが、図中左上の家のマークが二つ並んでいる所がティグラナケルトにあたります。この名前、現在の地図をさがしても見つかりません。1515年のオスマントルコの占領以降、現在はトルコの領土になっており、名前もディヤルバクルと変わっています。現在はトルコ東部のいわゆるクルディスタン(トルコ東部と隣国にまたがるクルド人居住地域)の中心的都市になっています。このクルディスタン、IS(イスラム国)の動向と共に、今年よくニュースに登場した地域ということになります。

この地図切手を今年の1枚に選んだのは、この地図が「地図の歴史」を語る上で欠かすことのできない有名な「ポイティンガー図」ということも理由の一つです。ローマ時代に製作されたこの地図(現存するのは忠実な模写図)はローマ帝国のすばらしい土木技術の成果で整備された道路網を描く一種の道路地図で、赤い線がその道路を示しています。

なお、このポイティンガー図を図案として描いた切手は今までにもいくつかの国から発行されていますが、地図の特色についてはオーストリアの切手を紹介した記事を参考にご覧いただければ幸いです。

さらに、この切手のタブの部分には、現在の同地域の地図が描かれており地図切手ファンにはこの点でも魅力的な切手です。ルーペで覗かないと地名が判読できないぐらいですが、上が東でカスピ海、下が西で黒海が描かれています。切手の発行テーマから考えれば当然ですが、この地図には赤字でティグラナケルトが示されていますが、アルメニアやトルコを含めた周辺諸国の国境線は描かれていません。


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今年の一枚

2014/12/30 17:43
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 久しぶりの更新ですが、いよいよ今年も年末ということで、今年も世界各国から数々の地図切手が発行された中から「この一枚」として取り上げたのが上の小型シートです。この小型シートは今年2月にポルトガルから「遍歴記」刊行400年を記念して発行されたものです。

 「遍歴記」とは貿易商人の旅行作家ピントによるアジア諸国の紀行文で1614年に刊行されています。ポルトガル版「東方見聞録」といった感じです。日本に関する記述もあり、同時に発行された切手には日本の武将も描かれています。

 私が注目するのは小型シートの方ですが、切手部分からシート地にかけて描かれているのは1623年にアントニオ-サンチェスによって製作された世界地図です。実はこの地図、私のメインテーマである「地図の歴史」の観点からは特異な地図の一つになります。

 当時のヨーロッパはポルトガルに代わってアジア貿易を独占したオランダの全盛時代で、印刷技術の発達もあって、オルテリウス、メルカトル、ホンディウスと地図の歴史においてもオランダが全盛で、次々と地図帳が製作されたアトラスの時代です。それらの地図帳に掲載された地図にも大航海時代に製作されたポルトガルやスペインの地図を参考にしている面が多いのですが、今回紹介したサンチェスの地図は、そのような時代(16世紀)と同様のポルトガルの地図ということになります。

 コンパスローズや方位線、ポルトガルやスペインの旗が多く描かれた(さらに、日本の上には十字架も)ポルトラノと呼ばれる海図を継承していることに加え、印刷技術の発達した時代にもかかわらず、従来と同じ手書きによる地図というのが大きな特色となっており、ポルトガルの執念を感じる地図です。

 


 
 
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領海裁判

2014/08/29 21:52
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 前回に続いて国境がらみの切手です。以前、ウクライナの地域シリーズを紹介していましたが、マレーシア航空機の撃墜事故以降ウクライナ情勢は混迷をきわめています。今日取り上げたのは、そのウクライナと隣国ルーマニアとの黒海における領海境界の国際司法裁判所の裁定5周年を記念して、本年ルーマニアから発行された小型シートです。

 切手部分を見ると線が引かれていますが、西側の点線の直線がウクライナの主張するラインで、その東側の折れ曲がった点線がルーマニアの主張するラインでした。これらの主張には石油と天然ガスの存在が絡んでのことでしたが、国際司法裁判所の裁定で決定されたラインが赤い線で、大部分がルーマニアの主張するラインと合致しています。

 このような2国間の領土紛争などを国際司法裁判所に持ち込む場合は、当事国双方が国際司法裁判所での裁判開始に同意することが必要になります。例えば竹島問題は現在の所、国際司法裁判所において解決を求めることは実現していません。この竹島問題については前回紹介した郵便学者内藤陽介さんの著書『朝鮮戦争』(えにし書房)に李承晩ラインと合わせて興味深い記述があります。

 
 ところで、小型シートの下地は黒海周辺が描かれた古地図ですが、この地図は1590年版のオルテリウスの地図帳「世界の舞台」に掲載されているもので、地名もはっきり確認できて、地図切手ファンとしてはお気に入りの1枚になりそうです。
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