アクセスカウンタ

切手で読む地図の楽しみ

プロフィール

ブログ名
切手で読む地図の楽しみ
ブログ紹介
 地図といっても様々な地図があります。描き方も,描く範囲も様々であり,その目的もまた様々です。単に地名や場所をさがすためのモノではなく,地図には様々な役割があります。その地図を小さな1枚の切手の中に描いた「地図切手」を通して,地図を見る楽しみ,地図を読む楽しみを日々探っていこうと思います。
help リーダーに追加 RSS

言語地図

2009/11/27 22:04
画像

 一昨日,地勢図が図案の切手を取りあげて,カナダのナショナルアトラスの刊行が世界で2番目であると紹介しましたが,それでは最初の国はということになるのですが,その国は北欧のフィンランドで,1899年のことです。

 ということで,今日はそのフィンランドの主題図が描かれた切手ですが,上の切手は1976年に言語研究100年を記念して発行されたもので,ここしばらく続けた地質図や地勢図などの自然分野の主題図ではなく人文分野の主題図で,同国の方言の分布を示す言語地図です。

 フィンランドの言語であるフィンランド語は,言語学的にはウラル語族のフィン・ウゴール語派に属し,ヨーロッパのほとんどの国の言語が属するインド・ヨーロッパ語族ではありません。

 図案の地図には非常にきれいな色分けで言語地域が描かれていますが,先日も書いたように凡例区分が示されていないので,残念ながら切手だけでは言語分類の詳細はわかりません。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


地勢図

2009/11/25 21:16
画像

 しばらく地質図が続きましたが,今日は地勢図です。地勢図というのは地表の起伏の状態をおおまかに示した地図のことですが,起伏の表現には色分け以外にも各種表現法を併用する場合があります。

 上はシートの一部で,2006年にカナダから地図帳製作100年を記念して発行されたものです。切手図案にはカナダの地勢図がレリーフ表現とともに色分けされて描かれています。アラスカを含むアメリカ合衆国の部分は一切示さず,本当にカナダの国土部分だけを描いている所が象徴的です。シート地からタブにかけても拡大図が描かれているところがデザイン的にも申し分ないところです。

 ちなみに,地図帳製作100年ということは1906年が最初ということになりますが,以前紹介したナショナルアトラスを世界で2番目に刊行したのがカナダで,それがこの1906年に当たるわけです。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


地質図(3)

2009/11/23 20:26
画像

 今日も地質図が続きますが,上の切手は1995年にアイルランドから地質調査150年を記念して発行されたものです。

 図案の地図を見ると,カラフルな色分けで地質区分が描かれていますが,一昨日も書いたように,小さな切手印面では,なかなか凡例まで示すことができないので,どのような分類になっているのかわかりません。切手発行記念のタトウのようなものがあると(フランスのドキュマンも同類),切手図案に関する詳しい説明があるかもしれません。

 しかし,この切手図案の地図の注目点はもう一つあります。アイルランド島北東部は北アイルランドとして,連合王国イギリスの一部になっているのですが,国境線は示されていません。アイルランドはこの北アイルランドを含めた全島統一の立場をとっているので,当然ということになるわけですが。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


地質図(2)

2009/11/21 22:13
画像

 一昨日に続いて地質図ですが,今日はスペインの地質図です。上の小型シートは2003年に同国の鉱山・地質協会による全国地質図の完成を記念して発行されたものです。

 切手印面部分には地質図,そしてシート地の下部には地質断面図が描かれています。地質図となるとかなり専門的な主題図ということになりますが,図案のような色分けの区分図の場合,その凡例による地質区分が併記されていないと,門外漢にはなかなかわかりにくいのが実の所です。

 しかし,このような地図切手のFDCの中には,その切手図案を補足説明する形で,詳細な凡例が加わったような地図がカシェに描かれている場合があり,資料としては非常に価値があります。ただ,FDCのカシェはテーマティク作品には使えないのが残念ですが。



記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


地質図

2009/11/19 21:28
画像

 一昨日紹介したナショナルアトラス,その例としてロシアの切手を取りあげましたが,切手図案に描かれたナショナルアトラスの中には一般図とともに,各分野の主題図が収められているわけです。

 ということで,今日はその主題図の一つとして,おそらく所収されているはずの地質図です。上に取りあげたのは,1984年のソ連時代に発行された絵入り官製葉書で,ソ連全体の地質図が多くの色分けに基づいて描かれています。

 絵入り官製葉書のようなポスタルステーショナリーは,テーマティク作品には欠かせないものですが,ソ連では数多く発行されており,その中には地図を描いたステーショナリーも多く,絶好のマテリアルを提供してくれます。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


ナショナルアトラス

2009/11/17 21:55
画像

 ここしばらく,オランダ全盛時代に製作された近代地図帳についての話が続きましたが,今日はそれらに対して現代版の大アトラスとも言うべきナショナルアトラスを取りあげます。

 このナショナルアトラスというのは,その名の通り,国家の威信をかけて製作され,その国の代表的な地図帳と位置づけられるもので,国の地勢,地形,地質,気候などの自然分野,社会,経済,文化などの人文分野の主題図を一般図とともに描き,国勢地図帳として1冊にまとめたものです。

 1899年にフィンランドで初めて刊行され,次いで1906年にカナダ,そしてヨーロッパ各国で順次刊行されていきます。日本でも国土地理院によって刊行されていますが,近年では発展途上国でも製作されるようになっています。

 ということで,上の切手はロシアのナショナルアトラスを図案に描いた切手で,2006年に同国から発行されたものです。図案をよく見ると,地図帳の分厚さと大きさが想像できますが,世界一の広大な面積をもつロシアだけに,地図帳製作も大変であろうことが想像できます。


記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


ブラウ

2009/11/15 16:18
画像

 昨日メルカトル・ホンディウス版アトラスを紹介しましたが,この後に登場するのがブラウ家で,アムステルダムに印刷工場を作り,地図出版事業を展開します。ということで,今日はそのブラウの地図帳に載っている地図を描いた切手を取りあげることにします。

 ブラウ家は二代目ヨハンネスの時代1662年に全12巻に及ぶ大地図帳が完成し,オルテリウスから続くオランダ地図製作の絶頂期を迎えることになります。上の切手はスウェーデンから1991年に発行された地図シリーズの1種で,その1662年刊行の大地図帳所収の北欧全図が図案に描かれているのですが,オルテリウスの地図帳のスカンジナビア半島にくらべると,その形態がかなり正確になってきています。

 この北欧図はスウェーデンの地図製作者ボーレの地図をもとにしたもので,スウェーデン,デンマーク,ノルウェーの表題がついており,領土が最大時のスウェーデン王国を示しています。スウェーデンの支配下には,フィンランド大公国や現在のロシア,バルト三国の一部にあたるバルト海沿岸地方も含まれていることがわかります。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


メルカトル・ホンディウス版アトラス

2009/11/14 22:23
画像

 先日紹介したように,メルカトルの「アトラス」原図の銅版を購入したホンディウスが新しく新図を加えてメルカトル・ホンディウス版アトラスを出版しますが,今日はその中の地図です。

 上の小型シートは1992年に中部アフリカの島国サントメ・プリンシペからコロンブスの新大陸到達500年を記念して発行されたもので,1610年版アトラスに所収のアフリカギニア地方の地図が描かれています。

 地図を見てわかるように,16世紀にさかんに製作されたポルトガルのポルトラノ型海図と同様,沿岸部に多くの地名が詳細に書き込まれています。すなわち,それらの海図をもとにしていることがわかります。

 そして,何と言っても特徴的なのは左下にギニア湾に浮かぶサントメ島の拡大図が大きく描かれていることです。1471年にポルトガル人エスコバルが到達以来,同島は大西洋の中継地の役割を果たしますが,地図にもギニア湾同様多くの地名が記されています。この地図では島はほぼ円形に描かれていますが,実際の島の形態はこのようなきれいな円形ではありません。

記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


メルカトルとホンディウス

2009/11/11 22:22
画像

 先日,オルテリウス,メルカトルとホンディウスがほぼ同時代の地図製作者ということを紹介しましたが,そのうちメルカトルとホンディウスの共通点として地球儀も製作していたことがあげられます。

 メルカトルは1541年に地球儀を製作したことは以前にも記事の中で切手とともに紹介しましたが,ホンディウスの方は1592年に地球儀を製作しています。ということで,今日の切手はこの2人が並んで地球儀を手にしている図案で,2004年にルーマニアからブカレストでのUPU(万国郵便連合)会議開催を記念して発行された小型シート内の連刷切手の1種です。

 しかし,この2人の関係はそれよりも強い結びつきがあります。1595年にメルカトルのアトラスが息子によって出版された後,第2版が出ただけで息子も病死し,後を継ぐ者がいなかったため,その地図帳製作事業を継いだのが,アムステルダムで地図の製作・出版を営んでいたホンディウスだったのです。

 ホンディウスはメルカトルのアトラス原図の銅版を購入した後,1604年に新しい地図を加えてアトラスを出版しますが,通常このアトラスはメルカトル=ホンディウス版アトラスと呼ばれています。ちなみに,今日取りあげた2人が並ぶ切手図案は,このメルカトル=ホンディウス版アトラスに挿入されている図を取りあげたものです。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


マゼラン世界周航

2009/11/08 15:51
画像

 昨日ドレークの世界周航路を書き入れたホンディウスの地図を取りあげましたが,それではということで,今日はドレークより早く世界周航を初めて成し遂げたマゼラン隊の周航路が示された地図を紹介します。

 上図は,2008年にギニアビサウから船の発明シリーズとして発行された小型シートの1種のシート地の一部です。実は切手部分にはバスコ・ダ・ガマが描かれているのですが,シート地右下にはこのようにマゼランとともにその世界周航路を記した世界地図が描かれています。

 この地図は1540年頃にベネチアの地図製作者アニェーゼが製作したもので,よく見ると,マゼランは南米大陸南端マゼラン海峡を通過して太平洋に出ますが,南米大陸沿岸を進まずに,すぐ太平洋を西へ進んだことがわかります。この点が昨日紹介したドレークの航路と大きく異なる点で,ドレークは南米大陸沿岸を北上して北米大陸の方まで進んでいることが昨日の地図でわかります。



記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


ホンディウス

2009/11/07 22:18
画像

 メルカトルはオルテリウスとほぼ同時代の人物と先日紹介しましたが,もう一人同時代の有名な地図学者にホンディウスがいます。ということで,今日はそのホンディウスの世界地図ですが,上の小型シートは1980年に英領バージン諸島からドレークの世界周航400年を記念して発行されたものです。

 図案の地図はホンディウスが1590年頃に製作したもので,御覧の通りオルテリウスの世界図とちがうところは円形の地図を2つ組み合わせて全体として世界全図になっている点です。

 これは平射図法と呼ばれる図法で,右の地図は赤道上,現在の西経20度を中心に描いた半球図(地球表面の半分が描かれている),左の地図はその反対の地点赤道上,東経160度を中心に描いた半球図で,両方合わせて世界全図となっているわけです。

 地図をよく見ると,未知の南方大陸や北方大陸を描いているのがわかりますが,この点は同時代のオルテリウスやメルカトルとの共通点ということになります。そして,注意深く見ると,1577〜1580年にかけてマゼランにつぐ世界で2人目の世界周航を成し遂げたイギリス人ドレークの世界周航路が記載されていることもわかります。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 2


アトラス

2009/11/05 22:09
画像

 一昨日紹介した1595年完成のメルカトルの地図帳はアトラスの表題が付けられ,以来,地図帳はアトラスの名称で広がっていきます。

 上の切手は1949年にアルゼンチンから第4回パンアメリカン地図学者会議を記念して発行されたもので,地球を背負うギリシア神話の神アトラスの像が描かれています。メルカトルの地図帳もこの神にちなんでアトラスの名が付いたと言われていますが,実はそうではなく,織田武雄氏の『古地図の博物誌』によると,メルカトルの地図帳の扉絵にアトラスの名称とともに挿入されているのは,ギリシア神話のアトラスではなく,天球儀と地球儀を製作したリビアの伝説王アトラスで,こちらのアトラスにちなんでいると見るのが自然であるとなっています。

 ただ,オルテリウスやメルカトルの地図帳が完成する以前の1572年に,ローマでラフレリーという人物が刊行した,大きさや精度の異なる世界各地の地図を集めた地図帳の原型らしきものの表紙には,このギリシア神話のアトラス像が描かれています。しかし,ラフレリーはこの地図帳には「アトラス」の名は付けず,「ゲオグラフィア」と表題に記しているので,上に書いたように,アトラスの名を地図帳に最初に付したのはメルカトルであり,それはリビアの伝説王アトラスにちなんでいるということになります。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


メルカトル(4)

2009/11/03 21:35
画像

 再びメルカトルに戻ります。ということで,初の近代的地図帳を完成させたのは以前にも書いたようにオルテリウスですが,このメルカトルも地図帳編纂の計画を持っていました。他の地図製作者の原図を利用したオルテリウスとちがって,メルカトルは集めた地図や資料をもとに自身の手で地図を作図し直したために時間を費やし,ヨーロッパ各地域の地図を出版したものの,地図帳の完成には至りませんでした。その完成は没年の1594年の翌年に遺志をついだ息子によってなされます。

 上の切手はその1595年の地図帳に所収されているアフリカ図で,1993年に南アフリカのバンツースタン国家ボフタツワナから発行されたアフリカの古地図シリーズの1種です。

 地図をよく見ると,アフリカ大陸の形態は非常に整っており,精度の高い地図になっているのがわかりますが,さらによく眺めると,赤道や経線が直線ではなく曲線で示されていることから,メルカトル図法ではないこともわかります。

 先日紹介した1569年の世界図は表題に「航海用に最適な新世界全図」と記されており,メルカトル図法による地図で経緯線は直交しています。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


JAPEX 09

2009/11/01 16:28
 今日まで開催中のJAPEX09(全国切手展),競争出品の審査結果が郵趣協会のホームページで公開されていますが,レギュラークラスで大金賞が3つ,ワンフレームクラスでも初の金賞が出るという高レベルになっているようです。

 テーマティクの方はどうかというと,レギュラークラスでは小倉賞受賞経験者2名が大金銀賞,金銀賞の各賞,そしてもう1人の金銀賞,大沢さんの「視覚障害」が小倉賞を受賞されましたが,この作品は中身のすばらしさも含め,テーマティクにおける各種テーマ設定の可能性と広がりを期待させてくれる作品ではないかと思います。

 そして大銀賞が5作品とここまでで全作品の過半数を超えており,レベルの高い作品が集まったという感じです。とくにチェコスロバキア,旧ユーゴスラビアの歴史関連2作品はすばらしい作品と個人的には感じました。この2作品は企画展のハプスブルグ帝国展の方に展示されていたのですが,他のテーマティク作品の中に並べて展示されていればかなり印象が変わるかもしれません。

 一方,ワンフレームクラスは高位入賞がなくやや残念な気もしますが,「ドナウ川紀行」は地図切手も含まれており,プレゼンテーションの美しさもあって楽しく拝見しました。

 また,企画展のハプスブルグ帝国展では,大沼さんの審査員出品,フィラコリア2009での金賞受賞作品「ベートーベン」を拝見できとても参考になりました。

 今回出品された方も含まれている「テーマティク出品者の会」の第1回ミニペックスが,来年1月15〜17日に開催されるので,当方も久しぶりに作品作りに本腰を入れていきたいと思っています。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


メルカトル(3)

2009/10/28 21:30
画像

 地図学者メルカトルを描いた切手を続けましたが,今日はそのメルカトルが1569年に発表した有名な世界地図の一部が図案の切手です。

 上の切手はモーリシャスから2002年に発行された古地図シリーズの1種で,残念ながら世界全図ではないのですが,自国すなわちモーリシャス付近の部分を図案にしています。モーリシャスはマダガスカル東方のインド洋上に浮かぶ小さな島国なので,図案の地図を見るとマダガスカル付近の地図と言った方がいいかもしれません。

 この1569年の世界図は,地図上で任意の2地点間の直線が等角航路を示すというメルカトル図法で描かれた地図で,航海用には最適な地図ということで,現在でも海図に用いられる図法になっています。

 それにしても残念なのは,この1569年のメルカトルの地図を世界全図で描いたものを図案にした切手が登場していないことです。



記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


メルカトル(2)

2009/10/26 21:57
画像

  一昨日に続いて今日もメルカトルの肖像を描いた切手です。このメルカトル,メルカトル図法の考案者,すなわち地図学者としてあまりにも有名ですが,1569年の世界図製作より以前の1541年に地球儀も製作しています。

 上の切手は,1962年にベルギーからメルカトル生誕450年を記念して発行されたもので,地球儀を手にするメルカトルが図案になっており,記念印が押されているFDC(初日カバー)のカットです。記念印を見ると,彼の生誕地である東フランドルの都市,ルプルモンドの名が記されています。

 メルカトルが1541年に製作した地球儀は直径41cmの大きさで,その一つは,多くの古地図や地球儀,天球儀を所蔵していることで有名な奈良県の天理図書館に所蔵されています。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


メルカトル

2009/10/24 21:40
画像

 一昨日,「世界の舞台」を刊行したオルテリウスと地図学者メルカトルが同世代で交友があったことを紹介しましたが,今日はオルテリウスに続いてメルカトルの登場です。上の切手は一昨日のオルテリウスの切手と同じシリーズの1種で,1942年ベルギー発行の結核予防付加金付切手です。

 オルテリウスの「世界の舞台」は同時代の地図製作者が描いた地図やそれらを参考にオルテリウス自身が描いた地図を収録して完成させた地図帳ですが,1570年初版の巻頭を飾る世界図も,実はその前年に製作されたメルカトルの世界図を参考にしており,東南アジアの島々や南米大陸の西岸,さらに未知の南方,北方大陸などはよく似た形状に描かれています。そして,日本列島の形態も類似しており,いわゆる「メルカトル型」の日本と称されるものです。

 このように,世界図や多くの地域図を収録して地図帳を製作するという構想はメルカトル自身も当初から持っており,それをオルテリウスが先取りした格好になったわけです。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


オルテリウス

2009/10/22 21:27
画像

 オルテリウスの地図帳「世界の舞台」所収の地図を図案にした切手を続けてきましたが,今日は最後として,そのオルテリウス本人に登場していただきました。

 上の切手は1942年にベルギーから結核予防の付加金付切手として発行された,著名人シリーズの1種でオルテリウスの肖像が描かれています。

 そして,肖像の横に1527−1598年と生年と没年が示されていますが,このオルテリウスと同世代の人物として,「世界の舞台」刊行の前年である1569年にメルカトル図法による世界地図を発表した有名な地図学者メルカトルがいます。

 この二人は交友関係にあり,オルテリウスから「世界の舞台」を受けとったメルカトルは,オルテリウスに手紙を送り「世界の舞台」を称賛していますが,何とオルテリウスは「世界の舞台」1573年版にその手紙を掲載しています。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


オルテリウスの地図帳(8)

2009/10/19 21:19
画像

 オルテリウスの地図帳「世界の舞台」が続きますが,今日はちょっと変わったところで,多くの島が個別に描かれている地図が図案の小型シートですが,キプロスから1974年に第2回国際キプロス学会を記念して発行されたものです。

 「世界の舞台」の1579年版以降には,歴史地図帳の部が付録として所収されており,多くの古地図が収録されています。現代のわれわれから見れば「世界の舞台」所収の地図は全て古地図ということになるのですが。

 図案には最大のキプロス島の他,エーゲ海の島々が多数描かれており,ロードス島やキオス島をはじめ,古代遺跡に富みエーゲ海観光で有名な島登場しています。

 そして地図に描かれているこれらの島の形態は,現在の地図と比較しても古地図とは思えないほど精度は高く,古代から往来のさかんであった地域の証しともいえる地図になっています。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


オルテリウスの地図帳(7)

2009/10/18 21:24
画像

 オルテリウスの地図帳「世界の舞台」,今日は日本が大きく描かれた地図です。上の切手は2008年の日本切手で,第3次世界遺産シリーズ第4集の「石見銀山遺跡とその文化的景観」の1種です。

 図案の地図は「世界の舞台」初版(1570年)の中に所蔵されるタルタリア図の一部で,日本付近の部分を印面に取りあげています。タルタリアとはアジア大陸北東部を指す地名ですが,「世界の舞台」初版では,世界図,アジア図,東インド図,そしてこのタルタリア図の中に日本が描かれています。

 図案の地図をあらためてよく眺めると,日本列島の形態が面白いですが,本州を表す大きな島の北部に(ちょっとわかりにくいですが)「Minas de plata」すなわち「銀の島」の表記があります。戦国大名が開発した銀山から採れた銀が長崎を経て中国,ヨーロッパへと多く流通し,当時のヨーロッパの地図に,日本が銀の島として記されていたわけです。

記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


オルテリウスの地図帳(6)

2009/10/16 21:36
画像

 オルテリウスの地図帳「世界の舞台」,今日はキューバ島です。上の切手は,キューバから1973年に発行された地図シリーズの1種で,1572年版に含まれるキューバ付近の地図が描かれています。

 1572年版の地図帳には,キューバ島はもちろん西インド諸島の専図は所蔵されておらず,この地図はアメリカ図(新大陸図)の中に描かれているキューバの部分ということになります。

 現在の地図と見くらべてみると,キューバはやや太めという感じですが,南のジャマイカ島,東のイスパニョーラ島,すぐ北のフロリダ半島との位置関係はほぼ正確に描かれています。

 さらによく見ると,キューバ北方に示される点々の部分がありますが,ここはコロンブスが最初に上陸したサンサルバドル島を含むサンゴ礁島群のバハマ諸島海域で,大陸棚の浅瀬を表しています。

記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


オルテリウスの地図帳(5)

2009/10/14 21:17
画像

 オルテリウスの地図帳「世界の舞台」,今日は1570年の初版のアフリカ図です。上の切手は,南アフリカ共和国のバンツースタン計画にもとづいて設置された国家のひとつ,ボフタツワナから1993年に発行されたアフリカの古地図シリーズの1種です。

 地図を見てわかるように,アフリカ大陸全体の輪郭や赤道の位置は非常に精度の高いもので,マダガスカルの位置関係もほぼ正確に描かれています。これはポルトガル人による探検航海の成果を反映して,アフリカ大陸に関しては精度の高い地図がすでに多く製作されていたことを物語っています。

 ただ,図案の地図をよく見ると,大陸内部に関しては,この地図帳が製作された16世紀後半ではヨーロッパ人の探検が進んでいないため,不正確な点が多く,大きな湖や大河川の流路も正しく描かれていない部分がみられます。



記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


オルテリウスの地図帳(4)

2009/10/12 21:19
画像

 一昨日の小型シートの続きですが,その切手部分を切り取り,小型シートと同図案の絵葉書の上に貼り付けて記念印を押した郵趣品,すなわちマキシマムカードを今日は紹介します。上はその切手と記念印の部分ですが,あらためて切手をよく見ると,中央上部がアイスランド,その北に大きく広がるのがグリーンランドです。そしてアイスランドの南に描かれているのが先日書いたように伝説の島フリースランド島になります。

 このフリースランド島は,織田武雄氏の『古地図の博物誌』によると,ベネチアの名門ツェノ家に伝えられた,先祖による14世紀末の北方への探検航海の航海記を1558年に刊行する際に付した地図に,航海記の中に「フリースランド島を発見し,さらに北上してアイスランド,グリーンランドに到達した」という記述から,同島を描き入れたために,そのすぐ後の時代の地図製作者であったオルテリウスの地図帳や,1569年の有名なメルカトルの世界地図にもこのフリースランド島が同じように描かれたということである。

オルテリウスもメルカトルもまんまと騙されたということになりますが,地図上の未知の北方大陸の存在と同様,当時の探検航海が大洋上や北方海域の全てを完全に網羅,検証できていなかったことを物語っているわけです。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0


オルテリウスの地図帳(3)

2009/10/10 22:12
画像

 オルテリウスの「世界の舞台」収蔵の地図を描いた切手,今日は一昨日紹介したものと同じ北方地域図ですが,1570年の初版のものです。

 上の小型シートは1984年にアイスランドから国際切手展ノルディア84を記念して発行されたものです。切手部分からシート地にかけて大きく地図が描かれているため,単片の切手にくらべると,やはり詳細な部分まで見やすく,資料的価値が大きくなります。この点では小型シートが古地図再現の絶好のマテリアルとして存在しているように思えます。

 シート中央上部に未知の北方大陸,切手部分の上辺目打が貫いている大きな島がグリーンランド,そしてその南の島がアイスランドに当たり,しっかりと切手印面部分に入っているのはシート発行国として当然の成り行きと言えます。

 日本での国際切手展開催時には,日本が描かれた古地図が図案のこのようなデザインの小型シートの発行を願うばかりです。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


オルテリウスの地図帳(2)

2009/10/08 21:36
画像

 初の近代的地図帳であるオルテリウスの「世界の舞台」収蔵の地図が図案の切手を続けて紹介しましたが,今日もさらに続けてということで,上の切手は1975年にデンマーク領フェロー諸島から発行された古地図切手の1種で,「世界の舞台」1573年版の北方地域図が図案になっています。

 放射状の経線と円弧状の緯線が記されており,一種の円錐図法で描かれていることがわかりますが,よく見ると,東に大きく描かれているのがフィヨルドの湾入を持つスカンディナビア半島,そしてその南に現デンマークのユトランド半島,中央下部には現イギリスのグレートブリテン島北部とその西隣のアイルランド島が描かれています。

 そして印面中央部をよく眺めると,目立つように色を変えて描かれているのが,この切手を発行しているフェロー諸島になります。さらに印面左上の大きな島がアイスランド,そしてその南には,現在の地図をいくら探しても載っていない伝説の島フリースランド島が描かれています。


記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


オルテリウスの地図帳

2009/10/06 20:58
画像

 一昨日のデンマークの切手は,1570年製作の初の近代的地図帳であるオルテリウスの「世界の舞台」の1図と紹介しましたが,今日はその「世界の舞台」70図の巻頭を飾る世界全図が描かれた小型シートです。このシートはスペインから2000年に,スペイン国王カール1世(神聖ローマ帝国皇帝カール5世)生誕500年を記念して発行されたものです。

 背景の世界図には未知の北方,南方仮想大陸が大きく描かれていますが,さらによく見ると,アジア大陸の東には日本列島がオタマジャクシのような形態で描かれているのもわかります。

 大航海時代の探検の成果と印刷技術の発達により,この地図帳「世界の舞台」がオルテリウスよって製作された当時のオランダはスペイン国王カール1世の治世で,当時の王室にはこのような地図が多く献上されており,その部屋にはこれらの地図が飾ってあったことは言うまでもない。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


デンマーク古地図

2009/10/04 21:37
画像

 話がまた変わりますが,昨日,2016年夏季オリンピック開催地がリオデジャネイロに決定しました。この開催地を決定するIOC総会が開かれたのがデンマークの首都コペンハーゲンで,日米両首脳もプレゼンテーションに参加するという,一大イベントショーの様相を呈していました。

 ということで今日はデンマークの地図が図案に描かれている切手を取りあげます。上の切手は今年7月に同国から発行された古地図シリーズの1種で,図案の地図は,1570年にフランドルの地図製作者オルテリウスによって出版された,「世界の舞台」と称される初の近代的地図帳に掲載されている53図幅全70図のうちの1図です。

 この地図を見ると,ユトランド半島と首都コペンハーゲンのあるシェラン島など多くの島からなる現デンマーク領以外に,スカンジナビア半島の一部も当時はデンマークの支配下に入っていたことがわかります。

 このオルテリウスの地図帳「世界の舞台」に掲載されている各地図は,今までに何枚か各国の古地図切手に登場していますが,今日の切手はそこに1ページ加えたことになり,地図切手ファンとしては嬉しいかぎりです。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


サモア諸島

2009/10/02 21:08
画像

 サモア大地震に関連して紹介した一昨日のサモアの地図切手は,西サモア(現サモア独立国)の島しか描かれていませんでしたが,その時にも書いたようにサモア諸島にはその東側にアメリカ領サモアの島々が分布します。

 上の切手はそのアメリカ領サモアも含めてサモア諸島を描いた地図が図案になっており,1972年に第1回南太平洋司法会議開催を記念して西サモアから発行されたものです。一昨日の切手図案に示されていたたように,サモア独立国の首都アピアのあるウポル島のほぼ西端を通る経線が西経172度,ほぼ南端を通る緯線が南緯14度ですが,この切手図案の地図にはそれらを含めて30分間隔の経緯線網が描かれています。

 そして,公正のシンボルとして描かれた天秤ばかりのデザインが,ちょうどその経緯線網とはかったようにマッチしているというなかなかの図案です。



記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


サモア

2009/09/30 21:51
画像

 突然話が変わりますが,日本時間の今日早朝,太平洋のサモア諸島の南方を震源とするM8の大地震が発生し,津波などによる被害状況が心配されます。

 ということで,上の切手は以前にも紹介したことのある,1962年に西サモア(現サモア独立国)から独立を記念して発行された切手です。一昨日の切手もそうなのですが,当ブログでは過去に取りあげた切手が再登場することがしばしばありますのでご了承下さい。

 図案にはサモア独立国の二つの主島,サバイ島と首都アピアのあるウポル島が経緯線とともに描かれています。その数字を読み取ると,南緯14度,西経172度ということで,南太平洋,西半球の一部で地域的にはポリネシアの一角になりますが,地質構造的にはトンガ海溝の北部に当たり,太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートの境界付近で,地震の多発地帯ということになります。

 なお,図案の国名表記は,独立当時の「西サモア」とサモア語で表記されています。すなわち,サモア諸島にはニュースでも報じられているように,このサモア独立国の東にアメリカ領サモアが分布します。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


ボカシ

2009/09/28 21:21
画像

 イギリスの地形図切手が続きましたが,その中でケバや等高線といった起伏表現が使用されていました。地形の起伏を表す方法としては,その他にボカシという表現法があります。

 ボカシというのは,土地の起伏に応じて色調の濃淡をつけ,連続的に描く表現法で,ケバとちがって現在でも各国の地形図に等高線と併用されている場合も多い。

 上の切手はそのボカシで表現されている地形図を図案にした切手で,1970年にトルコから地形図製作75年を記念して発行されたものです。以前にも紹介したことのある切手ですが,私にとってのお気に入り地図切手の1種で再登場となりました。

 等高線による表現も対比するように図案に描いていますが,立体感を表す起伏表現としてはもちろん,起伏の多い山岳地帯において,地図の美しさを映し出す手法としては最適な表現になっている。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


続きを見る

トップへ

月別リンク

切手で読む地図の楽しみ/BIGLOBEウェブリブログ